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和歌山毒物カレー事件 冤罪の可能性・・・



冤罪の可能性

当初から直接証拠がなく、状況証拠の積み重ねだけで有罪とされたが、不自然な点が多く識者から冤罪を指摘する声も多く上がっていた。

「批判を承知であえて言えば、本人が容疑を否認し、確たる証拠はない。そして動機もない。このような状況で死刑判決が確定してよいのだろうか」(田原総一朗)。
「私のわだかまりも、この「状況証拠のみ」と「動機未解明」の2点にある。事件に、林被告宅にあったヒ素が使われたことは間違いない。ただし、そのヒ素に足があったわけではあるまいし、勝手にカレー鍋に飛び込むわけがない。だれかが林被告宅のヒ素をカレー鍋まで持って行ったことは確かなのだ。だが、果たしてそれは本当に林被告なのか、どうしたって、わだかまりが残るのだ」(大谷昭宏)。
「2審判決は「誠実に事実を語ったことなど1度もなかったはずの被告人が、突然真相を吐露し始めたなどとは到底考えられない」と言ったが、これは実質的に黙秘権侵害です」(小田幸児 – 林の1審、2審、上告審弁護人)
裁判で林の犯行と断定される上での唯一の物証で決定的な証拠となっていた亜ヒ酸の鑑定において、犯行に使われたとみられる現場付近で見つかった紙コップに付着していたヒ素(亜ヒ酸)と、林邸の台所のプラスチック容器についていたヒ素、カレーに混入されたヒ素が東京理科大学教授の中井泉による鑑定の結果、組成が同一とされたが、のちに中井は依頼された鑑定の内容は、林宅のヒ素と紙コップのヒ素とカレーのヒ素の3つにどれだけの差違があるかを証明することではなく、3つの試料を含む林宅周辺にあったヒ素のすべてが同じ輸入業者経由で入ってきたものだったかどうかを調べることだと理解し、それを鑑定で確認したに過ぎなかった。このため有罪の決め手となった3つの試料の差違を詳細に分析はせず、3つの試料を含む10の資料のヒ素がすべて同じ起源であることを確認するための鑑定を行っていたにすぎなかった。当然ながら、林が自宅にあったヒ素を紙コップでカレーに入れたことを裏付けるためには、3つのヒ素の起源が同じであることを証明しただけでは不十分であり、その3つがまったく同一でなければならない。弁護側の依頼で鑑定結果の再評価を行った京都大学大学院教授の河合潤により3つは同一ではないと評価された。
被告の次女は林死刑囚がカレー鍋の見張りを離れた時間が20分以上あり、他の人物が毒物を入れる機会はあったと主張している。なお、和歌山地方裁判所はこの証言を証拠に採用しないことを決定した。

その他
2012年、再審請求中の林は事件の裁判において虚偽の証言をしたとして、100万円の損害賠償を求めて夫を提訴した。その他、週刊朝日の調べにより、マスメディア関係者や事件の発生地の地元住民、生命保険会社に勤務していたときの同僚など、計50人ほどを相手に訴訟を起こしていることが判明。しかし、弁護士も立てていないため訴訟の遂行は難しいという。かつてメディアを相手に500件以上の訴訟を起こしたロス疑惑の三浦和義は生前、被告を支援しており、林に対しマスメディアを訴えることを勧め、手紙や面会で方法まで伝授していた。これに対し林も「三浦の兄やん、民事で訴えちゃるって、ええこと教えてくれた」と答えた。
使用された毒物の組成を調べるために、SPring-8が使用された。亜ヒ酸に含まれる特定の不純物元素の量を比較して、異同識別が行われたが、この為の重元素不純物の検出に『SPring-8の性能が必要』とされたためである。
フジテレビの報道番組『ニュースJAPAN』で、キャスターの安藤優子が事件の注目人物であった逮捕前の林眞須美被告に電話インタビューを試みている。逮捕前だったこともあり、注目人物であった林眞須美被告の名前を自主規制音を被せて名前を匿名化していたが、編集ミスで1か所だけ自主規制音が入っていなかったためその部分だけ「林さんは…」という言葉がのって放送された。そのため、林眞須美被告から「おかげで外に買い物にも行けない。どうしてくれるのか?」と、猛抗議を受けた。
この事件では報道で「毒入りカレー」と言う文字が前面に出ていたためにカレーライスのイメージが悪くなり、食品会社はカレーのCMを自粛し、料理番組でもメニューをカレーにすることを自粛した。また、テレビアニメ『たこやきマントマン』と『浦安鉄筋家族』では、ストーリーにカレーが出る回が放送されなかった(これらの回は、前者は再放送時に初放送され、後者はVHSビデオ化の際に収録された)。
ちょうど夏祭りの時期だったことから、犯人逮捕前は、各地の夏祭りなどで食事の提供が自粛されるなどの騒動に発展した。
事件後、林眞須美被告の自宅の塀に「人殺し」などと大量に落書きされ、ベルリンの壁のような状態になったが、自宅そのものは、2000年2月に放火によって全焼し解体され、跡地は公園になっている。なお、放火犯は逮捕され実刑判決を受けている。
この事件後、飲食物に毒物を混ぜるといった模倣犯の犯行が多数起きた。

前述の犠牲者である小学4年生の男子児童は、和歌山市立有功小学校に在籍していた。同校では、2017年現在でも給食でカレーライスは一度も提供されていない。

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